2013年6月11日火曜日

天保山大演習と斉彬の批素中毒死


 出典:篤姫を生んだ鹿児島こそ
    スメル八千年帝国の理想郷だった
   『言語復原史学会:加治木義博』
    KKロングセラーズ
    251~253頁

 「13章 篤姫を生んだ血と歴史と環境

 《天保山大演習と斉彬の批素中毒死
 「天保山大演習と斉彬の批素中毒死


 斉彬が、

 その最後の天保山大演習に被った日除けの陣笠(次ページ写真)。

 普通、大名は黒い漆塗りの帽子に似た形の陣笠を被るが、

 それは輪郭が狭く、風通しが悪くて、防暑には全然役立たない。

 宮尾さんは、この天保山を、

 わざわざ「大坂の天保山の演習で……」と説明しておられるが、

 この演習は鹿児島を外国の軍艦から守るための大演習で、

 鹿児島市の東部海岸、桜島を正面に見る、

 現在NHK 支局がある同名の天保山で行なわれた、

 実戦さながらの本格的なものだった。

 それは、斉彬がアへン戦争の分析を行ない、

 英国が必ず何かの口実を作って威嚇に来ると予測して、

 急いで防御態勢を整えるため、

 側近の小松清猷を

 琉球の防衛施設構築と態勢確立の奉行として赴任させ、

 鹿児島城下には藩士を総動員して敵艦を射撃する

 砲台などの防御施設を構築させた。

 それが完成したので帰国して、

 天保山に据えつけた大砲を実際に発射して、

 藩士を轟音や操作に慣れさせ、

 錦江湾に侵入した敵艦をどう迎え撃つか、実地にあたって考え、

 対応させる緊急の対策だったのである。

 確かに嶋津藩は大坂にも屋敷はあるが、領地ではなく、

 例え外国が攻めて来ても勝手に防衛することはできない。

 それどころか大坂で演習するだけでも大事件になり、

 幕府にお家取潰しの口実として利用される。

 大変なことなのだ。

 だからこの大演習地は鹿児島市の天保山以外では絶対にありえない。

 その日の鹿児島は暑く、斉彬は頭が蒸れて我慢できないので、

 塗り物の陣笠を脱いで風通しのいい、被覆面積も倍以上ある、

 写真の道中陣笠を被って演習を指揮した。

 しかし、その日の猛暑は酷く、笠を換えたぐらいでは効果がなく、

 激しい脱水症状が起って、

 ただでさえ変調(御典医の後の報告では慢性枇素中毒)に

 悩まされていた体力を一挙に消耗衰弱して、

 その夜から寝込み、ついに回復せぬまま永眠したのである。

 しかしその演習が役立って、

 その後、彼の予測通りに現実になった薩英戦争では、

 敵の旗艦プリンス・オブ・ウエールズに、

 天保山から発射された砲弾が次々に命中して、

 敵の最高指揮者だった連合艦隊司令長官と旗艦の艦長が共に戦死したので、

 英軍は直ちに戦闘をやめ、ほうほうの体で逃げ去った。

 そのとき、戦場に残していった、

 敵艦の大砲に弾丸を装填する

 「ラムロッド(弾丸込め具)」が海面に浮いていたのを、

 少年武士だった東郷平八郎らが船を出して回収、

 戦利品として嶋津備後に届けられたものが、

 現在もそのまま私の手元許ある。

 「写真」その日、斉彬が用いた陣笠(共に筆者蔵)

 「写真」斉彬の略裃


 《スメル(シュメール)文明
 「スメル(シュメール)文明

 《パーリ語辞典
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